まずは人ありき:人間のためのシステムソリューション設計

February 28, 2020 APPIRIO JAPAN

本ブログは RYAN STALEY が寄稿した記事を抄訳したものです。 原文「Putting People First: Designing System Solutions for Humans」はこちらからご覧いただけます。

システムソリューションの設計時に検討すべきコンポーネントは、セキュリティ、自動化、データ、ビジネスルール、プロセスまで数多くあります。ところが、ユーザーのエクスペリエンスは、中でも適当に処理されがちなコンポーネントです。


たとえば大規模なエンタープライズ向けのプロジェクトに取り組むチームメンバーは、そのプロジェクトを遂行する目的のためだけにひたすら作業していることもあるでしょう。一方、システムを「誰」が使用するのか、という視点が失われていることはよくあります。プロジェクトでは主に「何を達成するか」に重点が置かれ、「誰がこれを達成するか」という点は二の次になっています。

人とは面白いもので、誰もが本能的な傾向を持っています。どれだけ十分なトレーニングを受けても、ある種の行動をすぐに切り替えられないのは、このためです。たとえば、ユーザーとして40年、設計やソフトウェアソリューションの現場に関わってから20年を超える経験を持つ私は、アプリケーションウィンドウを閉じようとする時には本能的に右上隅を見ています。そしてWindowsなどのPC画面をマウスで操作している時は、右クリックであるタスクを実行し、左クリックで画面上の何かを選択する、という行動が染み付いています。

もし、アプリケーションを終了するのに左下隅を右クリックすることになったとしたら、どれほど混乱するでしょう。だからこそ、人間の行動傾向と一定のバイアスを念頭に置いたソリューションを構築したいと考えています。こうした考えが重要なのは、人間中心のシステムソリューション設計アプローチには、ユーザーと企業の双方にとってメリットがあるためです。


ユーザーへの普及拡大

まず、ソフトウェアのユーザーエクスペリエンスを人間が快適だと感じられることは、普及への第一歩です。できるだけ快適な使用感にするためには、最初からそのことを念頭に設計に組み込むのが一番です。つまり、フィールドにはユーザーが納得しやすいラベル付けを行うのです。

そのためには、オーディエンスを把握しなければなりません。例として日付や数値の形式を取り上げてみましょう。米国では、日付表記がMM/DD/YYYYとなっており、その他各国で従っているDD/MM/YYYY形式と大きく異なります。またヨーロッパでは一般に、数字の小数点にはカンマを使用するなど、国や地域によって異なる慣習があります。

ユーザーがある物事を見て「理にかなっている」と思えると、変化にすんなり順応しやすくなります。フラストレーションが少ないソリューションが普及しやすいのは当然です。


コスト削減

ユーザーが、物事が論理的に流れていると思えれば、企業は時間とお金の両面でトレーニングコストを削減できます。混乱を招くようなソリューションだと、トレーニングガイドで多角的に網羅し、トレーニングセッションを長時間取り、さらに復習コースも用意せざるを得ず、しかもこうした一連の流れについていかされる受講側の集中力も試されます。

集中力を失った時点で、このサイクルを振り出しに戻って繰り返すということにもなりかねません。さらに、新たなソリューションを導入したせいで、かつてはシンプルだった手順が複雑化し、何度も説明を要されるような状態になると、今度は新しいソリューションに対する反感や敵意すら生み出しかねません。人がソリューションを使う際には、意図した用途をフル活用するわけではないことは心得ておきたいものです。


プロセスの合理化

そして3つ目とも言える利点としては、プロセスをより効率的に合理化できることです。ユーザーがソフトウェアとその仕組みを完全に把握していたとしても、インターフェイスが複雑であれば、プロセスも複雑になりがちです。

論理的な順序でグループ化されていないフィールドの分析は困難です。タスクを完了させるためにクリックすべき箇所が多すぎると、時間がかかるだけでなく、苛立ちすら覚えます。ウェブサイト開発の「3クリックルール」を思い起こさせます。つまりユーザーは、最大3回のクリックでサイトを訪問した目的が達成されないと、苛ついて離れてしまう、ということです。

以上に加えてソリューションが使いやすければ、方法を理解するために割くべき時間は少なくて済み、従業員が実務に費やす時間の犠牲を最小限に抑えられます。

まとめとして、人間向けのソリューションを設計するなら、それが本当に人間の用途を想定しているものなのかを確認しなければなりません。現金自動預払機(ATM)などを想像すると分かりやすいでしょう。ATMを初めて使用した時でも、何の説明もなく使えたという人がほとんどではないでしょうか。こうしたことが常に可能とは限りませんが、ATMなどが採用している設計アプローチは、鉄則として覚えておくといいかもしれません。

ソリューションはシンプルであるほどベターと言えます。普及率が伸びれば、変化の時にも協力を得られやすく、また事業コストの削減にもつながります。つまり、誰もが得をするのです。今後のブログ記事では、こうした理想を叶えるための方法を紹介していきます。お楽しみに! アピリオのソリューション設計が重視する人間中心のアプローチについて、詳細はぜひお気軽に、アピリオコンサルタントまでお問合せください。


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著者について

APPIRIO JAPAN

アピリオは、100%クラウドテクノロジーに特化したグローバルコンサルティングファームです。グローバル企業ならではのネットワークと顧客基盤、先進のクラウドテクノロジーにおける経験と知見を基に日本のお客様に変革をもたらしますための努力を惜しみません。2006年米国カリフォルニア州でAppirio Inc.は創業され、日本法人は、その米国Appirio Inc.の初の海外拠点として2008年に設立されました。ラテン語で「uncover 〜 明確にする」、「open 〜 オープンにする」などを意味する単語aperioに由来する社名の通り、それぞれの企業のあるべき姿を明確にし、そこに至る戦略の立案、最適なパブリッククラウド・テクノロジーの組合せを通じて実現し、最適なワーカーとカスタマーのエクスペリエンスを実現するお手伝いをすることをミッションとしています。

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