プロマネの車窓から 8 〜 PMに求められる8つの要素 〜

April 30, 2021 Koji Komatsu

こんにちは、アピリオの小松です。
今回のテーマに関しては、社内でも度々聞かれるトピックになります。社内の勉強会等でこれまでも何度か紹介したり、プロジェクト終了時に実施する社内フィードバックの中での共有等も行っていますが、その中から8つのエッセンスを抽出してみたいと思います。
私自身の道のりとしては、案件ありきで必要なものを実体験を通じて蓄積してきた部分が多いような気もしており、思想&精神的なものが大きいと正直感じたりもします。極力、参考にしていただけるように配慮しながら紹介していきます。

#1 基礎知識

まず、プロジェクトマネージャーとして各種業務に対応していくための「基礎知識」を身につけておくことは言うまでもなく必須の要素になります。私の場合は前職時代に社内で開催された研修プログラムの内容がベースとなっていますが、一般的な書籍でも、PMBOKでも、表現方法に多少の違いはあれど、抑えるべき観点というものはさほど変わらないと思いますので、自分なりにフィットするものを見つけて熟読し、理解しておくことが重要です。

#2 資格

基礎知識の習得と合わせて、資格取得も有効なアプローチの一つです。PMPが最も認知度の高い資格だと思いますが、独力で取得するには費用が高いので難しいかもしれません。所属組織で提供されているプログラム等を活用するのが現実的な選択肢だと思います。
私自身、PMPの資格は保有していないので偉そうなことは全く言えませんが、基礎知識の理解度を確認する意味合いと、自分の中に体系立てて理解を蓄積していくという両側面から、積極的にチャレンジしてみる価値は間違いなくあると思います。

Salesforceのプロジェクトという側面で見ると、「Salesforce認定アドミニストレーター」や「Salesforce認定Platformアプリケーションビルダー」等の資格取得も、基礎知識の習得という意味では重要です。クラウドサービスを扱う場合に共通する話として、そのプラットフォームの特性を理解した上で適切な計画をたて、課題を的確に認識し対応していくことで、円滑なプロジェクト運営を実現することが可能となります。これ以外にも、Sales Cloud等を対象とする場合には、それに該当する資格を取得しておくことも準備の一つとして考えられます。

#3 方法論

プロマネの車窓から 3 〜 Salesforce 導入アプローチの観点 〜 の回でも触れましたが、対象のソリューションの内容に応じて何らかの導入方法論が存在するのが通常だと思います。
PM として、どのようなアプローチでゴールに向かっていくことができるのか?その過程においてどのようなタスクを実施し、どのような成果物を定義していくのか?その「説明責任」を果たす必要も出てきますので、一定レベルでの導入方法論に関する理解は間違いなく必要です。
これが無いと、場当たり的な対処に終始してしうでしょう。結果的に、プロジェクトが迷走してしまうということにもなりますので、軸としての考え方を持っておくと言う意味でも、方法論の引き出しを持っておくことをお勧めします。

 

 

 

#4 コミュニケーションスキル

改めて言うまでもありませんが、チーム内での円滑な業務推進、会社組織の中でプロジェクトを推進する上で必要な共有・報告・相談、対お客様やパートナー様との意思疎通や合意形成に至るまで、あらゆる局面でコミュニケーションが発生し、その中心的役割を担っていくことになります。
このテーマだけ取ってみても、非常に奥の深い内容ではありますが、自身のパーソナリティを理解した上で自分なりの型を創っていくことが必要です。表面的な会話を円滑に行う、ということに限らず、そのアプローチの方法には様々な答えがあるのではないかと個人的には思います。

#5 思考

「計画と現実のギャップ」の回でも触れましたが、プロジェクトはほとんどの場合、計画通りにはいきません。担当するプロジェクト期間中を通じて発生した課題、顕在化したリスクに対して対策を検討し実行していく、これを繰り返しながら軌道修正を行い、最終的な着地点を見出していくわけですが、時には満足・納得の行く結果にならないこともあります。
もちろん、最大限の効果・結果を出すべく努力をしていくことも必要ですが、過度に結果に固執しすぎることで、ビジネスとしてのバランスを崩すことがあってはなりません。また、必要以上に神経質になりすぎて、心身のバランスを崩すことも避けなくてはなりません。どこかで割り切り感をもつ、ということも大事な要素の一つではないかと思います。
どこまで頑張るべきか、明確な定義は難しいと思いますが、私自身の感覚としては常に「背伸びすれば届くかもしれない」という「イメージを持てる範囲」を基準としています。

#6 想像力

インサイト(洞察)、というと少し敷居が高い気もするのであえて想像力としてみました。 初取引のお客様のケースの場合、ステークホルダーの関係性が見えない中で手探りでプロジェクトを進めていく必要があります。また、要求仕様やシステムのイメージが開始時点で明確になっていないケースでは、プロジェクトの進度に応じて徐々にその姿を明確にしていく必要もあります。
いずれの場合においても、先に進んでみないとわからない、それはその通りなのですが「たぶんこうなるはず」という仮説を常に持ち、それに対するギャップの有無を確認しながら軌道修正していくことで、発生する様々な変化や事象に対応していくことが可能となります。
また、プロジェクトによってはお客様自身が「ToBeのイメージが無い」こともあります。そのような場合に、一つの考え方としての目指すべきイメージを発信することで、お互いに共通認識を持ちながらゴールに向かっていくことにつながります。

#7 表現力

PMとして日常的に実施するタスクとして、進捗報告があります。その進捗報告一つとっても、順調なのか遅れ気味なのか、明らかにリカバリー策の検討が必要なのかを、どのような基準で捉えてどのように表現するのか、を考えて実行しなくてはなりません。
EVM(Earned Value Management )等の手法を用いて定量的にマネジメントを行うことも、一つのアプローチではありますが、プロジェクトに関与するステークホルダーには様々なタイプが存在しますので、状況に応じて適切な手段を用いることも重要です。
他にも、リスク管理等においても、どのタイミングで誰に対して、どのようにそのリスクを認知してもらい、アクションにつなげていくのか、これもPMとして備えるべき一つの要素になります。
リスクをリスクとして単純に共有するというやり方もありますが、通常、表立って「これはリスクです」と表現してしまうと、過剰に反応して必要以上の管理作業を発生させてしまうこともあります。とはいえ、顕在化を避けるべきリスク要素に関しては様々な手段で顕在化を抑制していく必要がありますので、暗黙的にその内容を認知してもらうような工夫も必要です。

#8 パッション

不確定要素が多いプロジェクトになればなるほど、参画するメンバーも不安になるのが普通です。もちろん、PM自身も不安な気持ちになることもあるとは思います。必要以上に不安になることなく、目指すべきゴールに向かってチームを鼓舞するという姿勢は必要です。もちろん、これだけでは限界がありますので、発信するメッセージに一定の納得感を得られるよう、あらゆる準備と論理武装が必要になるのは言うまでもありません。

プロマネの車窓からシリーズを寄稿しています。
引き続き、おたのしみください。

プロマネの車窓から 1 〜 PMキャリアの魅力 〜
プロマネの車窓から 2 〜 Salesforce PM の魅力 〜
プロマネの車窓から 3 〜 Salesforce 導入アプローチの観点 〜
プロマネの車窓から 4 〜 計画の勘所 〜
プロマネの車窓から 5 〜 計画と現実のギャップ 〜
プロマネの車窓から 6 〜 プロジェクトの終わり方 〜
プロマネの車窓から 7 〜 QCD+α 〜
プロマネの車窓から 8 〜 PMに求められる8つの要素 〜


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著者について

Koji Komatsu

前職時代から通算で15年以上、CRMの領域でプロジェクトマネージャーを中心にプリセールス、ビジネスアーキテクト等、幅広い役割を担うことを信条として日々精進しております。Appirioに参画後もSales Cloud、Service Cloud、Field Service Lightning、Einstein AnalyticsやHeroku、時にはAWSやZuoraまで、様々なクラウドプラットフォームを手掛けて来ました。未知のプラットフォームを導入される場合は是非お声がけを!

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